箸袋趣味の部屋

箸袋のパネル展示例と単品含め諸々の箸袋と例会・大会情報

箸袋のパネル展示の種類と方法の一例
左右の展示をご覧いただくと一目瞭然だが、同じ蕎麦屋の陣屋(青森・八戸)さんの箸袋である。 月替わりで、三つ折りの箸袋だが、左は一ヵ月の箸袋1枚を台紙に貼り、12か月分を並べ、「陣屋 平成七年」 と書いただけの管理人のパネルである。右は、三つ折りであるから箸袋としては1枚を広げるのではなく、 それぞれの面を尊重して、3枚無ければ構成されないと考え、 36枚(3枚/月)の箸袋を丁寧に折り、貼り込み、《薬草歳時記》の題を付記し展示した。この差は一目瞭然で、 右は金賞になる。これが私の展示の師匠である三重のT氏(故人)の作品である。見ずらいが下部にカレンダーが印刷されている。
この2点もT氏の作品。左は陣屋(青森・八戸)さんの年間で1枚の絵になる力作である。 ちなみに《薬草歳時記》も《八戸魚歳時記》共に陣屋の女将さんの自筆である。その構成・細部の描写・色彩の再現性・ 動植物の観察力には唯々驚嘆する。箸袋に毎年これだけの手間をかけてお客様をおもてなしする心が溢れている。 T氏はこの蕎麦屋さんに東京から通いつめ信頼を得た蒐集家(収集家でなく蒐集家と敬愛の念を込めて)で、指導を仰いでお話をさせて頂いた方である。 右は同じA1のパネルに22枚の箸袋を《絹道西訪(シルクロード)》と題し、北京からはじまる西安・蘭州・酒泉・敦煌・ トルファン・ウルムチとカシュガルの8市を結ぶ自作の図柄と呼応して、縦長の箸袋を並べるという発想・構成が素晴らしく 、観て度肝を抜かれた。22枚じゃ作品にならないなどと嘆いていた私に頭を文字通り、ハンマーで一撃された記憶がある。四半世紀前の話である。
   
竹久夢二の絵が裏表に印刷され、2枚組展示の箸袋作品で業界では有名店である。 T氏(左)と管理人(右):津市の個展会場にて(後が左記の作品)、1997年3月29日撮影
 箸袋収集の初期の展示と種々の箸袋例 
 結索(ローピング)の提案型模型箸袋  箸の長さは1咫(あた)半、箸袋は?
(日本適量考調べ)
 どこかの店でやらないかなぁと考え、声かけをした箸袋である。今まで見たこともないし、 海軍に限らず山登りやボーイスカウトなど、紐(ロープ)が命綱と思われるほどに使う人達や職業の方に興味を持ってもらえるだろうと思ったが、 反応(いいんじゃない)はあっても、費用と手間が大変で実現していない。写真でははっきりしないが、 結索は細紐の実物を軽くのり付けしてあるのではずすと箸置きになる。食事中の話題になるのではとも考えている。アイデア代など無論ない。  箸袋の大きさ・形に注目してみると、様々な長さ・広さや折り方もある。日本適量考によると、 箸の長さは親指と人差し指を直角に広げた長さ(咫)の1.5倍(一咫半)だそうである。では、子供は一咫(約11㎝)になる。 これに合わせて箸袋の長さが決まってくる。全て包み隠すと長いし、持ち手の部分を出しておくと短い。一概にどりらが良いとは言い難いが、 一般的には箸袋先端が三角折りのようになっているところから持ち手分くらい出ているのが多いのではないかと思う。
 ぎんが(京都・祇園)の
箸袋と爪楊枝入れとコースター

小品は額展示にして飾っても面白い。客人も何度とみて、箸袋だとは思わず、説明して気づく方が多い。「行きたいけど高そう」と皆様一様に仰る。
  三角形の箸袋
 相当に手の込んだ箸袋で、手間暇を掛けたのだろうと思う。この箸袋が欲しいために通いこんだ方から頂いた。 私も行きたかったがやめた。箸袋だけでも高そうなのが伝わる。京都は一見お断りで敷居が高いイメージが抜けない。   変わり種の箸袋で三角形が右下に4種あるが、大半は変形の三角錐である。先端を折っている店も結構多いが、そのまま折って展示した。
第54回箸袋趣味の会全国大会でのお土産とホテル・昼食の箸袋 
 
 記念で作成した箸袋(毎年誰かが作成してる)

ホテルのニューフジヤホテルと観光の昼食湊一の箸袋
 
  2018年11月11日例会盆回し風景(左写真)
箸袋以外に会員が趣味品を持ち寄り、互いに交換する。箸袋は金銭的価値を付けない原則だが、それ以外の趣味品は、100円とか超破格値で出ている。売り上げは、会の運営資金に寄贈される。映画のチケット、マッチラベル、チラシ、使用済み切手など、ほとんどの人にとっては取るに足りない、フリーマーケットでは売りに出せない代物ばかりだ。これが、価値を認める人の手に渡ればお宝になる。最初が切手・コインを集め、メンコなど遊び道具やおもちゃなど随分集めたが、今ではどこに行ったか。テントウムシの標本づくりも熱心にやった。時々欲しいものがある。西行の歌集を手に入れた。江戸古文字の練習に丁度良い。それが読めるようになったら、料理本だ。箸・箸袋(箸筒・箸鞘・箸包みなど)の起源や使用法、箸袋は衛生箸の明治以前は儀礼的な使用法だとは思うが、目的地があるか判らないが辿り着きたい。