大橋智 《今日も飛行機は飛んでいる》(部分)
   

言葉もない3.11

根こそぎ海に飲み込まれた

それでも、生き続ける。

食べて寝て食べて寝て。

飛行機雲が恐ろしい。

ユーミンの歌が聴こえない。

「お空に行ったの?」

あどけなく童女がいう。

「そう、お星さまになったの。」

いつまでも

よどんだ空を見つめている。
   
   
大石洋次郎 《みずたまり》


 のほほん

やるき出ない、朝イチは。
けだるいなぁ、昼食後すぐ。
ねむくなった、昼下がり。
つかれたなぁ、まだ3時。
もう飽きた、チャイムまだ。
5時
誰もいない部屋に帰ろかな。

中の話

誰も見たことはない。
魅せたいと思わない
自分だけの女である。
「のほほん」なんて、
女は怒っている。
必死で生きているんだよ。
お前といっしょにすんな。

5年かかって5作品で完成した。
こんな感じで自宅の部屋を飾っていた。
他の4作の題名
《ふたり》,《HARU》,
《はやいはる》,《水遊び》 
   
        
   
   
 小作青史 、《風と走る》

好きな版画家である。


目が私を射抜いている
横向いて見ている。
風に逆らっているように感じる。
体勢が下を向いているからか。
否!
重心が前方だからか。
否!

風に押されて走らない。
風を味方に走らない。
困難に向かい、
世論に抗い、
体制に与しない。

恰好をつけた時代もあった。


 
 小澤俊樹 (自由の女神のある公園)
《街角》  未掲載
ギャラリー樹(銀座2丁目)を経営しているときに知り合った。 写真芸術の理解が日本では低いことを嘆いていた。なんとかして欧米並みな評価を得られるようにと努力していた。 北欧によく出かけ日欧の架け橋をされていた。国画会写真部での扱いは素人の私がみても低すぎる。 技術的に高度なことをされていたが生前に評価はされなかった。この2点は技術的な作品というより 普通にカメラでシャッターを切っただけのデッサンみたいな感じが好きだ。画家Tさんが経営するバーで良く語り合った。
急に親しくなったのは、自由の女神の写真を同じ構図から撮ったからだ。 知り合うずっと前パリで偶然このリュクサンブール公園に行きインスタントカメラでシャッターを切った。 これはNYの彫像の準備作業として作られ、1900年に博物館に寄贈され、1906年にここに設置された。 その後、返礼にパリに住むアメリカ人がセーヌ川に一回り小さな女神像を設置した。 本家本元は公園で今もひっそりとたたずんでいるのではないだろうか。銘文は違うようだが。

 
 大塚左斗志 《裸婦座像》
 いわゆる文人画といわれるが、的確な素描である。自分の勉強のために観ている。 お茶の水の小さな画廊のミニオークションで手に入れた。色付けも気軽にサッサッと付けた感じがするが、真似たが今もできない。
   
 奥本武司 《祈り》 Ⅰ  4F
《クリスマス》 SM

「きょうダビデの町に、あなたがたのために救主がお生れになった。 このかたこそ主なるキリストである。 あなたがたは、幼な子が布にくるまって飼葉おけの中に寝かしてあるのを見るであろう。 それが、あなたがたに与えられるしるしである。」(ルカによる福音書、第二章11節‐12節)作家の希望として掲載
上野の中央美術協会展で知り合った。 信仰に生きている人だと思う。 偶々、昼食を一緒にして話を聞いた。 奈良で教室を開きながら描いているという。絵画を見る目は鋭く的確だ。 家に飾る信仰はないが、Xmasのキャンドルサービスの時くらいは掛けたい。